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名探偵コナン/読書メモ

「ゼロの執行人」感想文。

初出:2018.05.07(旧ブログより移行)

穏やかな日常のなかでもちょっとだけ特別な始まり方から、一気に非日常へと落とし込む感じのオープニング、好きです。
哀ちゃんの白いサマーセーターとトレンチスカートがめっちゃかわいい。

今回のメインテーマ。
音がメタリックな感じでひたすらかっこよかった。
RX-7との相性がおそろしく良い。
というか、見終わったあとはRX-7のためのメインテーマなのではと思ってしまうほど。

風見さんはコナンがスマホ2台持ちだって知ってたのかな…
それともたまたま抜き取ったのがコナンスマホだったのかな…
今回、新一スマホは代用機で白になってたけど、これは視覚的にわかりやすくするためなんだろうか。
映画のなかではそれ以外に明確な理由ってなかったような。
原作的にはこのあと博士が修理してる感じ?
スマホも博士がカスタマイズしたもの…?

原作でも過去に小五郎に容疑がかかることはあったけど。
それは事件現場に小五郎含めた関係者が揃ってて「このままでは小五郎が犯人と言うことになってしまう」状況だったわけで。
今回のように寝耳に水状態でいきなり家宅捜索されてまるで犯人だと断定されているような扱いで、知らない証拠も次々と出てきて。
おまけに任意同行に従わないから「別件逮捕」っていうのは…
小五郎本人もそれを目の当たりにしてしまった蘭も、本当に精神的にキツすぎる…

自分の父親が、死傷者の出ている爆発事件の犯人にされる。
蘭の目の前で手錠をかけられたことも、もちろん初めてなわけだ。
しかも、自宅の、ふだん食事をしている居間で、だよ。

そんな自分の父親のピンチ(ピンチどころの騒ぎじゃないけど)に、一も二もなく新一を頼ってくれたこと、そして、そのSOSにただがむしゃらにコナンが奔走する姿にお互いの愛をとても感じたわけです。
蘭は何も新一に父親の逮捕を止めてほしかったわけじゃない。
「真実」を突き止めて欲しかったのではないか。
つまり、蘭の中には新一以上の名探偵は存在してないと言うことを示しているわけで。
コナンはコナンで、推理や捜査は今の姿でも不自由ながらできるし、新一よりもコナンの方が都合がよかったりする場面もあるけど、それでも蘭のそばで新一として蘭の涙を受け止めてやることだけはできなくて。

蘭は新一、英理さん、園子に連絡したのかな。
蘭の「(新一に連絡)したわよ…! したのに…!」がつらい。
したのに、の続きが、言葉にできない、言葉にしない、とてもしんどい。
蘭は不在の新一のことを、正体に気付いてない時期でも「それでも近くで見守ってくれてる気がする」と感じているように描写されていて、でも大きな事件の捜査で帰宅も儘ならないこともわかっている。
だからこそ、園子はそんな蘭の隣にいて躊躇うことなく「その続き」を言ってくれる。
園子は一歩引いた位置にいるから、多少無責任な言葉でも言えるんだよね。
蘭にとっても新一にとっても、園子が居てくれて本当によかった。
そして、新一は、姿は違えどその場にいて、蘭が言葉にしなかった部分も含めてすべて受け止めていて。
前半の新一の自分自身への怒りとか苛立ちとか、行き場のない感情とか、とっても素晴らしかったですね。
ほんと最高でした。

コナンの正体に気付いてる?気付いてない?これどっち?みたいな描写の蘭が数ヶ所…

英理さんの「あの人にそんなことできない…」が彼女の言葉の中で唯一「弱さ」を感じるものだった。
その後は一貫して「母親」として「弁護士」として「弱さ」を見せないようにしてたと思う。

博士のダジャレクイズのシーン、最初から最後までめっちゃかわいかった…
「歩美わかんなぁい」でコントローラーぐりぐりする歩美ちゃんも、ヒントを出して「ご名答」って微笑む哀ちゃんも、正解に辿り着く光彦も、み行???ってなる元太も。
いやここほんと、すんごいかわいかったよね…

小五郎を容疑者に仕立て上げた理由は映画で述べられた通りだけど、それだけじゃなく、安室さんはどこかで小五郎さんの強さ、しなやかさ、に気付いていたから作戦を実行できたのでは、と思ってる。
たとえ全く身に覚えのない容疑で勾留されたとしても、あそこまで毅然と、と言うか、普段の小五郎さんらしい雰囲気で否認できるのって凄いこと。

日下部さんは、小五郎が犯人に仕立てあげられて内心あせったりしたのかな。

日下部さんのスマホのプッシュ音をコナンが聞いて記憶に引っ掛かって、のちのちそれが真犯人につながる。
その演出を入れることによって、原作本編でももしかしたら七つの子のメールアドレスが生き返ってくるのだろうかと思うと、なんかもういろいろこわい。

真相がわかってから岩井検事の印象ががらりと変わった。
初見はウォーターサーバーが強調されてたように感じたけど、天秤も気になる。
手にしていたのはとかげの置物…?

境子先生は、検察への復讐のために小五郎をあえて有罪にしようとしていたけど、実際に英理さんや蘭やコナンと会話して、その決心がぐらつくことはなかったのだろうか。
彼女はずっと復讐のためだけに動いていたせいか、すべてにおいてどこか他人事のような感じだったけど、最後の解放のシーンでの激昂して自分をさらけ出していたのが印象的。

「それとも、“蘭姉ちゃん”のためかな?」って江戸川コナンに対して最高の煽り文句だな…

風見さんのキャラは妙な中毒性がある。
見れば見るほど風見さんにハマっている気がする。

コナンが風見さんに仕掛けた盗聴機をしばらく泳がせてコナンの目の前で回収したのって、コナンがした違法捜査のケリをつけたってことなのかな。
降谷さんは、コナンには盗聴機を回収する手立てはなく、風見さんが気付いたときに厄介なことになると踏んだ?

蘭が持ってたショルダーバッグ。
名探偵コナン 本革ショルダーバッグ 江戸川コナン 名探偵コナン トムスショップ
…これだよね。

最初に電話したきり、新一からの報告は蘭に直接は届かなくて、コナンを通じてのやり取りだけになるんだけど、そこで「新一がんばってくれてるんだね」って、しかも「お父さんのために」って新一ではなくコナンに伝える蘭がいじらしい。
今回ばかりは蘭にできることなんてないに等しいもんなあ。
せいぜい捜査資料を英理さんやコナンと一緒に読み込むくらい。

炎上に怯える梓さんおもしろくてかわいい。
ポアロ 店員」とかって検索してたりするのかな。

小五郎の不起訴が決定して初めて、新一に対して「なんで電話に出ないの」って言葉が出てくる。
ちゃんとお礼を伝えたいのだろうなあ。
ああ、それでも、蘭は決して「会いたい」とは言わないんだよね…

小五郎が釈放されて家族が再会して、というシーンを新一に送ろうとする園子の気遣いが最高だという話。

避難の時に、コナンのことをあまり気にかけていないのは少し気になったけど、そこを描こうとするととても大変だな、っていうのもわかる。
作中の認識ではおそらく、英理さんの事務所で蘭が「お父さんを迎えに警視庁に行くけど」と言って別れたのが最後なので、英理さんの事務所や普段の生活圏は避難対象ではなく、コナンは警視庁近辺には来ていないと考えているんだろう。
同じモチーフでも、コナン蘭新一の関係を中心に描けばまた違った映画になるだろうな。

最初はスケボーに乗ってるコナンと車に乗ってる降谷さんの間には物理的な隔たりがあって、でも安室さんがコナンの「協力者」になってからは同じ車に乗っている、という描写がとても好き。

黒田管理官の音声のない部分、あれはやっぱり「バーボン」って言ってるのだろうか。
口の動きはバーボンに見えるんだよね。
バーボンの場合、単純に考えたら黒田管理官がRUMと言うことに。
例えば、降谷さんは黒田管理官も自分と同じ立場「公安からの潜入捜査官」だと思っているけど、その真逆だったり、とか。
公安からの潜入捜査官を装った完全な組織サイドの人間なのでは。
でもこの場面であえて降谷さんをバーボンと呼ぶ理由は…?
「抜かるなよ、バーボン」
それはつまり公安としてではなく、バーボンとしても何か指示が出ていた…?
その後のシーンで気になる部分と言えば、コナンがずっと新一スマホ(代用機)を使っていたこと。
やっぱり江戸川コナンと工藤新一の結び付きに関すること…?

あるいは、降谷さんの直接の上司、つまり、降谷さんに組織への潜入を指示したひと、の可能性。

蘭のために必死になってるコナンを見て安室さんが「愛のちから云々」言ったあと。
コナンは「彼女いるの?」って聞いたけどそれつまりコナン新一はこの時点で蘭のこと“彼女”だと…?
原作軸に当て嵌めるなら、新一告白後で蘭の返事待ち、という時期だと思うんだけど。

車運転してる降谷さんかっこよすぎた…
シフトレバー握る手の動きがやらしすぎた…

終盤の少年探偵団めっちゃ良かったなあ。
本人たちは「何も知らない」って言うのが、本当に。
それで良いんだよ…
知らないからこそできることもある。
そして、大人になってから気付いたりしたらいいなあ…
んで、無理難題にイーーーってなる哀ちゃんべらぼうにかわいい…後ろ姿ほんとかわいい…

「買い被りすぎだよ」は初見では少し甘い、と言うか、軽いような気がしたんだけど、2回目に見たときはコナンの複雑な心境が声に表れていて、なるほどなぁと思った。

そういえば解決しなかった疑問。
なんで新一のスマホは代用機だったんだろう…
視覚的なわかりやすさのため?
修学旅行編の前にも調子が悪くなって博士が修理してるけど…あっちは夏の終わりくらいでこっちは4月末だもんなあ…

印象的だったのは探偵事務所の階段で蘭からの電話に出るシーンの、光のなかで舞っていた埃。
高木刑事とコナンが会話してるシーンのオレンジ色。
公衆電話の中の降谷さんと夜明け。
英理さんの事務所の窓の雨粒。
風に飛ばされるメモ。
監督さんがかわると、ここまで魅せ方もかわるんだなあ、と。
あと、気のせいかもしれないけど、なんか、生活音の入り方も絶妙でぞくぞくした。

来年の特報。
キッド様がいたのシンガポールのマリーナベイサンズじゃなかった?
まさかの、劇場版でシンガポール編…?
頼むからもう新一に変装するのはやめてくれ…な…?
新一と蘭のラブコメのことだけじゃなくて、キッドの変装技術やスケール的にも「はいはいキッドキッド」みたいなのはもう…
それに、新一生存バレで今ほんと危険だから誰か止めて。